小児糖尿病について
小児糖尿病とは
糖尿病は、大人の病気と考えられがちですが、子供にも起こります。そればかりか、インスリンをつくる能力が極度に低下、あるいはなくなってしまう「1型糖尿病」は、むしろ子供に多く発病します。 大人に多くみられる糖尿病は、インスリンの分泌が悪くなったり、あるいはインスリンの効き方が悪くなるタイプ「2型糖尿病」ですが、最近は、この型が中学生や高校生にも多く発見されています。 ふつう小児糖尿病という場合には、乳幼児にもみられ、10歳から15歳の間に発病年齢のピークがある「1型糖尿病」のことを意味します。
発病の原因
小児糖尿病は遺伝性の病気であると考えられていた時代もありました。しかし、現在では、患者さんの両親や兄弟に糖尿病が多くみられるのは、2型糖尿病の場合であり、1型糖尿病で家族に糖尿病のみられるのは、むしろ少ないことが知られています。
1型糖尿病の症状
発病とともに短期間で極めて高い高血糖になり、数日から数週間のうちに高血糖症状が現れます。喉が渇いて飲み物を何度も欲しがったり、トイレに頻繁に行ったり、疲れてゴロゴロしているといったことも症状にあたります。また、急にやせてきたり、著しい高血糖のために昏睡に陥ることもあります。
小児糖尿病の治療方法

1型糖尿病は、β細胞が全面的に破壊されているため、インスリンの分泌能力はほとんどゼロに近い状態です。したがって治療は、注射でのインスリン療法が基本で、その効果を高めるために、食事療法や運動療法も行います。 注射は、インスリンには注射後の作用時間の違いから超速効型、速効型、混合型、中間型、および持効型溶解インスリンに分かれます。年齢、生活スケジュール、意欲、コントロールによって適宜変更していきます。
